漢方療法とは?
漢方療法(Chinese medicine treatment)とは、複数の生薬を様々な症状に合うよう組み合わせた漢方薬を使うことで、患者の負担や症状を軽減して、延命効果や日々生活環境を良くするために行う治療法です。漢方療法は、漢方薬を使うことにより、がん三大療法と言われている手術、化学療法(抗がん剤)や放射線治療などによる患者の症状、心身の苦痛を軽減し、より治療効果を高める狙いがあります。
なぜ、漢方療法なのか?
漢方療法は、患者の術前術後の体力をアップさせたり、抗がん剤の副作用軽減の為であったりして、疲れにくくなったり、食欲が出たりなどができるようにするための治療です。したがって、漢方薬だけで治すという訳ではありません。がん三大療法は、治療効果がある反面、患者の体への負担が大きいことが現実的な問題となっています。そこで、患者に合わせた漢方薬療法で、副作用の少ない、比較的効き目の穏やかな漢方薬が注目されているのです。
漢方療法が、特に注目される点は、病院の手術、放射線や抗がん剤による、がん治療と漢方薬の併用療法ができることです。使い方によっては、この併用療法は大きな治療効果をもたらします。がんの種類や進行状態に関係なく、いつでもに使え、特に体力が衰えた状態でも十分使えるメリットがあります。
漢方療法は、がんに効くの?
漢方薬が期待できる対象者は、つぎのようになります。
(1)症状をもっと軽減したい方
(2)もっと長生きしたい方
(3)日々の生活に支障がないようにしたい方
(4)手術後の再発が心配な方
(5)副作用を軽減したい方
(6)治療が受けられない方
(7)ほかに治療方法がない方
などです。
がんに効くといわれる漢方薬は、直接、がん細胞に働いて効果を発揮するものではありません。生薬の中には、確かに抗がん剤のような働きをすると言われているものもあるようですが、その効果は、抗がん剤には及びません。
漢方薬の特徴は、体力を補い、免疫力を高めることで、間接的にガン細胞に働きかけることにあります。東洋医学では、『病気の原因は万病一元、血液の汚れ』と言われており、血液の汚れを解消することです。がんの場合は、これに食べ物や精神的なストレス、運動不足などが原因に挙げられています。そのため、患者の負担の少ない、精神療法・食事療法・運動療法を三位一体として取り組んで見られることをオススメします。
がんに対して効果があるとされている漢方薬は、「小柴胡湯(しょうさいことう)」、「十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)」、「補中益気湯(ほちゅうえつきとう)」などがあります。
漢方薬は、患者の体調や病状によって、使ってはいけないものもあります。漢方薬を使用するときは、必ず医師の指示に従って服用することが大切です。漢方薬は、漢方薬による治療を取り入れている病院や薬局から入手することができます。