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音楽療法とは?

 音楽療法(Music therapy)とは、音楽を聴いたり歌ったり自分で演奏したりして、直接脳に働きかけて、心身の健康のために音楽を心理療法として、意図的また計画的に使用することを言います。簡単には、音楽療法とは,音楽を使って心身の不調和を調和させていく方法であり、心身の障害を癒す治療法であるといえます。

 音楽療法の利用分野は、医療、福祉や教育、保健など幅広い分野で採り入れられています。音楽療法は、心理的にも、生理的にも又、社会的面からも大きな治療効果が期待されています。

 医療分野における音楽療法は、さまざまな医療現場で取り入れられてきており、今後、ますます注目すべき治療法のひとつになると思われます。

 日本では、音楽療法士の国家資格は、医療職には当たりません。日本では、音楽療法は健康保険制度における診療報酬の対象にならず、音楽療法の多くは、医療分野を除く福祉、教育、保健の分野で行われているのが現状です。

 ちなみにアメリカでは,「音楽療法とは,療法目標,即ち精神的,身体的健康の回復,維持,改善を達成するために音楽を活用するものである」となっている。

 イギリスでは,「音楽療法とは,身体的,精神的,情緒的な患いを持つ子どもや成人の治療,リハビリテーション,教育,訓練における音楽の統制的活用である」といわれています。

 オーストラリアでは,「音楽療法は,社会的,情緒的,身体的,知的問題から生じる特別なニーズを持つ子どもや成人に対して,療法を目標とするために音楽を継続的に活用するものである」とされている。



音楽療法は、がんに効くの?


 医療分野の音楽療法では、音楽により不安感の軽減や、疼痛の緩和作用が認められています。また、終末期医療では、音楽療法を受けた人と受けなかった人では、受けた人の方が寿命が長かったという報告があります。

 音楽療法の実施後に、免疫に関わるNK細胞の活性化が認められています。そのほか、認知症(高齢者)、また、障害児や障害者などにおいても、心と体の発達支援に役立つことが分かっています。

 人に快適感を与えるといわれる「1/fゆらぎ」の波長が、聴覚を通して脳にはたらきかけ、脳の自律神経の調整によって感情や情緒を安定させ、臓器を安定させ血液の流れを良くすることから、心身の健康回復に良いとされています。

音楽療法の効果としては、つぎのようなものがあげられています。
心理学的指標
(1)社会的行動の増加
(2)攻撃行動の減少、情緒の安定
(3)抑うつ症状の軽減
(4)摂食行動の増加

生理学的指標
(1)入眠効果
(2)NK細胞の増加(がんの抑制効果)
 などがあげられます。

 音楽療法には、心疾患や脳疾患の予防効果があることもわかっています。欧米では、ストレスや不安の除去、心身活動性の改善などを目的として、多くの医療機関・診療科で音楽療法が行われているようです。

音楽療法の使われ方?


 音楽療法の使われ方には、大きくは2つの使われ方になります。ひとつは、心理治療的なアプローチです。たとえば,疲れたときに音楽を聴く,聴いているうちに元気が出てきたということが主体になる使われ方です。

 もう一つは、身体的なリハビリテーションに関するものです。つまり,体の筋肉に与える音楽の影響を考慮して,あるひとつのリズムを選んでいくと人間は自然に反応して,動かそうと思わなくても体が動いてしまう。そういった肉体に与える影響を主体とした使われ方です。

 使われ方もいろいろです。例えば、手術前,一定期間かけて準備された音楽を聴かせ,患者の神経がその音楽により、リラックスするよう仕向けていきます。手術当日は、その成果のもとに音楽を使います。このことによって,全く麻酔を使用しないわけではないのですが、使用量が通常より少なくて済むという結果が出ていることがあるといいます。この場合、ある意味での音楽の麻酔効果と言えます。

 現在、種々の使われ方や療法を標準化したり、統一するところまでには至っていませんが、アメリカでは音楽療法士(music therapist)の養成も行われており、臨床と結び付いた研究が進められています。

 欧米では、多くの分野で音楽療法が行われており、ストレスや不安の除去、心身活動性の改善、記憶想起などにおきな成果を上げています。音楽療法は、薬物や手術などによる治療とは異なり,音楽をどう使っていくかが重要なポイントになります。

音楽療法としての確立?


 日本における音楽と医療の関係は,'86年に医師と音楽家により日本バイオミュージック学会が発足したのが始まりです。その後、'94 年に音楽療法臨床家の集まりである、臨床音楽療法協会が設立され、'01年に日本音楽療法学会が生まれました。

 日本は、その後、アメリカの動きに追随する形で今日まで、音楽療法の進歩と進展してきました。日本の音楽療法は、バイオミュージック学会は音響と生命体の関係の研究が中心であり,臨床音楽療法協会は、現場志向の取り組みが中心だといいます。

 欧米諸国では、それぞれの音楽療法士が、それぞれの専門の分野(障害児・障害者の療育、末期医療、緩和ケアなど)で研究、実践をされているようです。要するに、音楽療法とはそれだけ広い範囲を持っているということで、様々な形での適用があるものなのです。

 このようなある意味では、異質なものが一緒になり,方向性を見定めていくことも大事たともいえますが、システム化や組織化して、音楽療法として確立すると逆に、ある形に固定されてしまい,音楽療法そのものが狭いものになってしまうのではと心配する方もおられます。また、職業としての音楽療法の確立を目指しているところもあります。