心筋梗塞とは

 心筋梗塞(Cardiac infarction)とは、心臓を動かすために酸素や栄養を送っている血管である冠動脈の血流が不足することによって、心臓の筋肉(心筋)が酸素不足になり、一過性の胸部の痛みや、胸部圧迫感などの症状を起こすことを狭心症といいます。 この冠動脈が完全に詰ったり、または著しく狭くなって、心筋が壊死してしまうことを心筋梗塞といいます。
心筋梗塞

 日本における心筋梗塞発症数は、年間約15万人といわれています。年あたりの発生率は、1,000人当たり、男性1.6人、女性0.7人です。米国では、男性7.1人、女性4.2人と日本に比べて5倍前後と多くなっています。心筋梗塞の発症平均年齢は、男性60代前半、女性70代となっています。

 心筋梗塞の致死率は、30%〜40%と推計されています。亡くなった患者の半数以上は、病院到着前に亡くなっています。病院内での死亡率は、発症から24時間以内では約40%、48時間以内なら約50%になっています。また、退院後一年以内に約一割弱の人が死亡しています。


心筋梗塞 原因

 心臓は、筋肉でできていて、血液を体に送るため、一分間に約70回も収縮・緊張を繰り返しています。一日あたり約10万回、動いてポンプの役割を果たしています。そのため、心筋は十分な酸素と栄養が必要なのです。心臓の周りには、冠状動脈が走っていて、心筋に血液を送る仕組みになっています。

 心筋梗塞の原因として、一番多いのは動脈の内側に中性脂肪やコレステロールが沈着して狭くなる冠動脈硬化といわれています。



 冠動脈硬化が進み、血管の内腔が極度にせまくなったり、冠動脈硬化を起こしたところに血栓(血液のかたまり)ができて塞がってしまうと、その血管を養っている部分の心筋は壊死といって、腐った状態になります。狭心症のある人は、心筋梗塞になりやすいので注意が必要です。

 高血圧があると、冠動脈硬化が起こりやすくなるし、また心筋は肥大してくるのに、冠動脈はかえって細くなるので、ますます冠不全になりやすくなります。冠動脈は大動脈から出ているので、大動脈弁閉鎖不全があると、冠動脈の入り口は狭くなり、血液が流れにくいので狭心症を起こしやすくなります。また、糖尿病、腎臓病、肥満、喫煙、高脂血症などの動脈硬化の原因となるものや、体質などによっても、起こりやすくなります。


心筋梗塞 症状

心筋梗塞の心電図
 心筋梗塞の発作は、胸の痛みではじまります。血液の流れが急に途絶えるために、痛みは突然起こってくる。かなり激しい痛みで、胸の中をかきむしられるような感じがする。痛みのためにショックに陥ったり、麻薬を使わなければならないこともあります。冷や汗をかき、吐くこともあり、息苦しくなります。

 狭心症では、痛みは、数分で治まるのに対して、心筋梗塞では長く痛みが続き、短いときでも30分以上、普通半日から一日続きます。時には軽い痛みが数分でおさまり、狭心症のようなこともあるので、発作後は、病院で医師の診断を受けることをお勧めします。

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